(一社)福島県建築士事務所協会会報寄稿文
2014.02.01
走り出す!
有限会社 大野建築設計事務所
河野 忠
2011年6月4日突然走り始めた。当時それまでの私を知る人には、その変貌ぶりに「気でも狂ったか」とだいぶ心配をかけた。それまでは、不摂生へのたゆまぬ努力と、建築士事務所協会青年部をはじめとする諸団体での人対人の深いお付き合いを通して、「成人病のデパート」、「3高」(高血糖、高脂血症、高尿酸血症)、の体を、お金をかけて作り上げてきました。しかし、妻よりも愛したたばこも辞め走り始めた。
なぜ?その理由は3つあると考える。一つ目は原発事故直後、放射能による影響の情報が不確実な中、クライアントの要請により屋外での被災度調査に走り回った。3月15日の雨の中も同じように。このままだと、私が病気になったとして、万が一放射能が原因であったとしても、日頃の不摂生と、喫煙が原因だとされたら、とんでも無いことだと思ったこと。二つ目は、走り始める前日2011年6月3日、有る団体の会合の酒席で私に輪をかけて不摂生な同年代の知人と会った。彼は自転車とマラソンを趣味にしていると聞き、この人には負けられないと思ったこと。三つ目はたった一人の愛娘当時3歳の発言、40歳で授かった子宝に「パパは早く死んじゃうの?」これが一番効いたのかもしれません。とにかく、当時は、震災や原発事故を経て、生かされている意味や、どのように生きるかを考えさせられたことは確かです。
こんなことが有り、走り始めた。最初は100m走るのも大変、呼吸はゼイゼイ、心臓バクバク、ひざビリビリ、半分死人になって1時間後自宅に帰還、妻にみっともない、健康になるより先に死にそうだから止めなさいと言われた。でも性格的に止めろといわれると止めたくなくなるのが、性分なので絶対止めないと固く決心した。
せっかく走るのだから何か目標が有った方が良いと思い、その年の10月、11月に行われたロードレース5kmに参加した。何とか完走できた。昨年は5つのレースに参加、徐々にタイムも縮まって。今年は、10kmのレースを2回、親子のレースを2回走ることができました。走り始めてから今日まで、月間100kmを目標に走っています。今後はハーフや、フルマラソンにも挑戦していきたいと思っています。あくまでも目標。
現在は、体重も10kg程減量でき、健康診断の結果も非常に良く、また、走った後のビールは何よりもおいしく。何のために走るのか?「この1杯のため!」某ビール会社のコマーシャルが良くわかる。皆さんもおいしいビール飲んでみませんか。
最後になりますが、今年7月に弊社の代表取締役になりました。マラソンを走った経験がある人にはわかると思いますが、スタートから数キロが非常につらいことが有ります。しかし、中間点を超えたあたりから突然体が動くようになり、呼吸も楽になり実力以上に走れる状態があることが有ります。会社の経営も一緒ではないかと思います。最初のスタートを着実に一歩一歩!地道に止まらず努力し、継続すれば何とかなるのではないかと思います。いや、何とかします。